桜が咲く頃、クレマチス苗も出回りますよね。色々な種類があって眺めているだけで和みます。華奢なツルからこんなに美しいお花が咲くなんて、一体どうなってるんだろうと思ってしまいます。
美しい精神「クレマチス」
(4月中旬 東京都)
クレマチスといえば、ツルが特徴のひとつですね。
ギリシャ語で「klema」というのは「つる」や「巻き上げ」という意味があるんだそうです。ヨーロッパで実際に縄のように使っていたんですって。
確かに丈夫だと思うことはよくあります。冬はお花が咲かないので、枯れているんじゃないかと毎年心細くなります。そこで、1本折ってみるとちゃんと中が緑色をしていてホッとする私。私が心配するほど弱くはありません。ツルをほどこうとしてもなかなか切れません。
あの細いツルからにはどのくらいの栄養が流れているのでしょう。強度はどうやって変わっていったのでしょうか。自然の素晴らしさを思います。
(4月中旬 東京都)
(4月中旬 東京都)
[花言葉]美しい精神・旅人の喜び・貧弱
[開花時期]4~7月
[形態など]多年草・つる性
※花言葉は色や種類で違います。ここでは代表例を記載しています。
他にも青や紫の大輪なお花がありましたよ。代表的な花言葉は美しい精神。華奢なツルなのに、美しい花を咲かせることから付いたとされています。他にもツルにまつわるエピソードが色々あるようです。
私がうっとりとクレマチスを眺めていると、ご年配の女性が2名近づいてきました。お花を眺める時は笑顔な方が多いのが不思議ですね。
お花好きの輪
ご年配の女性2人。何やら楽しそうにお話しながら、クレマチスの苗へ近づいてきました。
「あらぁ~苗、お宅のお庭にあるの!?今年ウチはダメだったのよ」
「あれ増やすの難しいのよね」
「いいわねぇ。何とも言えない可愛さだもの!増やしたくなるわ」
「あなたどちらにお住まいなの?お近く?」
・・・あらら?
住んでいる家を知らない。
あまりのテンションの高さに、会話が耳に入ってきてしまいました。どうやら、さっき出会ったばかりの様子。そうしているうちにまた1人、2人と増えていき、お花の会話で4人が盛り上がっていました。
会話してみると、何となく相性が良いなと思うことってありますよね。こうやってお花好きの輪が広がっていくんですね。
袖触れ合うも多生の縁
「袖触れ合うも多生の縁」とは、人の絆を大事にしましょうということわざ。「多生」は「他生」とも言われるようです。
道を歩いていて、袖が振れ合うというような偶然の出会いであっても、深い緑で起こるもの。全てが繋がっていることなので大切にしようということですよね。
まさにこの言葉通り。クレマチスをきっかけに出会った女性が、あっという間に縁を広げていきました。分けてもらった苗を育てながら幸せな気持ちになることでしょうね。
その苗が増えたとき、また誰かを笑顔にするんでしょうか。クレマチスのお花が導いた縁だなんて素敵。
美しい精神、旅人の喜びという花言葉がぴったりです。